はじめに


「宇宙はどのようにしてできたのだろう?」 「宇宙に終わりはあるのだろうか?」 「なぜ我々は宇宙に存在しているのだろう?」…

遥か昔から、人類は夜空を見上げながらこうした根本的な疑問を抱き続けていますが、最近の宇宙研究で驚くべき事がわかってきました。 原子など通常の物質は我々の宇宙のほんの4%ほどを占めるにすぎず、残りは重力以外ほとんど他の物質と反応しない、「ダークマター」と、さらに不思議な謎のエネルギー、「ダークエネルギー」で満たされているというのです。 一体、これらの正体は何なのでしょうか。 どのように我々のまわりに存在しているのでしょうか。 銀河や星、そして我々人類の誕生や進化とどう関係しているのでしょうか。

すばる PFS プロジェクトは、最先端の科学の力を使って、このような疑問の答えを見いだそうとする宇宙観測計画です。 ハワイ島マウナケア山頂の国立天文台すばる望遠鏡に新しく 最大2400もの天体を一度に観測できる装置を取り付け、観測を行います。 PFS が一度に見渡せる視野は空の上で 満月よりも数倍大きく、同時観測する最大 2400 もの天体はこの中から選び出します。 PFS は「分光器」という種類の観測装置で、プリズムを通して見るように天体からの光を波長ごとに分散させて「スペクトル」として記録します。 一回の露出で記録できる波長範囲はとても広く、近紫外域から可視光域を越えて近赤外域まで及びます。

PFSについて詳しく知りたい方はこちらのスライドをご覧ください。
(2020年5月30日(土) 開催「Kavli IPMUものしり新聞 オンライントークシリーズ」のスライドより一部抜粋。)