すばる望遠鏡HSC補正光学系模擬鏡筒完成
2011年2月7日、キヤノン株式会社に製作を依頼していた、すばる望遠鏡HSC補正光学系模擬鏡筒が完成しました。
【HSCとは】
本プロジェクト研究課題の一つ、HSC(Hyper Suprime Cam ハイパーシュプリームカム)=「超広視野カメラ」 (参照:トップページ写真)は現在ハワイ・マウナケア山頂にある、すばる望遠鏡の主焦点部分に取り付けられる超広視野装置の一つです。9億ピクセル、重量3トンを超えます。このHSCをすばる望遠鏡へ搭載することにより、「銀河の形を精密に測る」ことができ、ダークエネルギーの解明に繋がります。搭載予定は2011年秋です。
【模擬鏡筒とは】
現在、このHSCの一部である補正光学系は7枚のそれぞれ直径1メートルもあるレンズが鏡筒の中に組み込まれ、製作会社であるキヤノン株式会社宇都宮工場にて性能検査が行われています。この性能検査に先立って、重量・大きさを似せたレプリカ(模擬)も同時に製作されており、去る2月7日、この模擬鏡筒が検査を終了し完成しました。
【今後のゆくえ】
この重量・大きさが本物そっくりの模擬鏡筒は、その後尼崎市にある三菱電機に搬出され、これから三菱電機によって製作されているHSCユニットとのドッキングテストがなされる予定です。
【本物の鏡筒は?】
本物のレンズ群(それぞれ直径1m)が組み込まれた鏡筒は、現在キヤノン株式会社宇都宮工場で行われている検査が終了次第、同様に三菱電機に送られHSCユニットとのドッキングテストがなされます。
これにて、本プロジェクトの主題 「宇宙の起源と未来を解き明かす」 ことへ一歩近づいたと言えます。
■模擬鏡筒検収時 (2011.2.7) の写真 (提供:キヤノン株式会社)■