2011年3月29日、キヤノン株式会社に製作を依頼していた、すばる主焦点超広視野カメラ(HSC)補正光学系が完成しました。今年秋に、ハワイ・マウナケア山頂にあるすばる望遠鏡の主焦点に取り付けられます。

HSC補正光学系

すばる主焦点超広視野カメラ (HSC) 補正光学系

HSC ( Hyper Suprime Cam; ハイパーシュプリームカム) は本SuMIReプロジェクト2本柱の一つであり、今年秋、すばる望遠鏡主焦点に新たに取り付けられる「超広視野カメラ」です(参照:トップページスライド写真2枚目)。その名のとおり、現在のSuprime-Cam(主焦点カメラ)をより進化させたもので、9億ピクセル、重量3トンを超える巨大なデジタルカメラです。

このHSCの一部である補正光学系は、最大で直径1メートル近くもある7枚のレンズが鏡筒の中に組み込まれ、高さは1.7メートルあります。主焦点の光学収差および大気分散を補正するため、「補正光学系」と呼ばれています。

この「すばる主焦点超広視野カメラ(HSC)補正光学系」は、キヤノン株式会社宇都宮光機工場で鏡筒製造、組立調整(レンズ群の組込み作業等)、性能検査(光学性能検査)がなされ、このたび完成しました。

すばる望遠鏡への搭載:

Suprime-CamからHyper Suprime-Camへ

すばる望遠鏡の外観。先端部(写真上方)に主焦点がある。

すばる望遠鏡には現在、上述のSuprime-Camが搭載されています。HSC(Hyper Suprime-Cam)は今年秋、このSuprime-Camと選手交代をします。

天体からの光は口径8.2メートルの主鏡で反射され、このHSCに集められます。HSCでとらえられる光は現在のカメラの約10倍(面積比)にあたる、1.5度角という広い視野をもつため、多数の暗い銀河を同時に観測できるようになります。

この “次世代カメラ” であるHSCの搭載に向けて、カウントダウンが始まりました。今年秋には、HSCに初めて天体の光が入る「ファーストライト」を迎えます。その後の本格観測では、銀河の形を精密に測ってダークマターの分布を調べ、ダークエネルギーの正体に迫ります。SuMIReの目的である「宇宙の起源と未来の解明」が大きく前進することが期待されます。

参照

宇宙のナゾをとらえる!キヤノンの「光学・精密」技術『すばる望遠鏡』の主焦点補正光学系