台湾中央研究院、イギリス・バーミンガム大学、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)、東北大学からなる国際研究チームは、すばる望遠鏡で撮影した50個の銀河団の観測データを用い、我々の宇宙を満たす、光を発しない謎の暗黒物質(ダークマター)の密度分布を宇宙空間のひ ずみ「重力レンズ」効果を通して求め、暗黒物質の分布が “冷たい暗黒物質”(Cold Dark Matter, CDM)モデルの予言する特徴と一致する新たな証拠を発見しました。

すばる望遠鏡の新しい超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam(HSC、ハイパー・シュプリーム・カム)を用いた人類史上最大の銀河探査によって発見される数千の銀河団に今回の方法を適用することで、この研究のさらなる発展が期待されます。

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個々の銀河団の暗黒物質分布(左)、50個の銀河団を平均した暗黒物質分布(中央)、 暗黒物質モデルによるシミュレーション(右)。冷たい暗黒物質モデル(右パネル中央)が観測された平均の暗黒物質分布と一致することがわかります。青、緑、黄、赤の色の順で暗黒物質の密度が高くなります。また、中央パネルの白い線は100万光年の長さを表します。(Credit: NAOJ/ASIAA/School of Physics and Astronomy, University of Birmingham/Kavli IPMU/Astronomical institute, Tohoku University)